こんにちは、hachi8833です。RubyKaigi会場限定でこんなイベントも開催されるそうです。
Ruby に関するQAは答えられる気がしないけれども()
頑張る!!#rubykaigi #agilewarehttps://t.co/aw3kCgJ94y— えりりん (@suuuuengch) September 6, 2022
グルメガイドも出ていますね。
いよいよRubyKaigiまであとわずかですね!
今年は自分の地元三重で開催されるのでおすすめのグルメ&観光スポットをまとめてみました。
参考になれば幸いです【地元民おすすめ】RubyKaigi 2022で三重に来たら訪れてほしいグルメ&観光スポットまとめ #note #RubyKaigihttps://t.co/sImcGveGJF
— rince@育休中 (@kazumax1218) September 4, 2022
お知らせ: 来週の週刊Railsウォッチはお休みをいただきます
Ruby
syntax_suggestがRuby標準ライブラリに追加された(Ruby Weeklyより)
`syntax_suggest` is a part of the Ruby standard libraries now. https://t.co/cWIvn0h1ML https://t.co/orkQMT4RwS Thanks to @schneems
— Hiroshi SHIBATA (@hsbt) August 19, 2022
つっつきボイス:「syntax_suggestがRubyの標準ライブラリに入った」「お、これはたしかdead_endという名前でしたね(ウォッチ20210330): リポジトリを見ると”Rename DeadEnd -> SyntaxSuggest”というコミットが先月入っているのでリネームされたらしい」「dead_endという名前も割とイケてて気に入っていたんたけど、end
以外もチェックするように強化されたから変えたのかも」「以前からあるruby -wc
チェックより改善されたとリポジトリに書かれていますね」
# 同リポジトリより
Unmatched `end', missing keyword (`do', `def`, `if`, etc.) ?
1 class Dog
❯ 2 defbark
❯ 4 end
5 end
# 同リポジトリより
Unmatched `(', missing `)' ?
1 class Dog
❯ 2 def speak(sound
❯ 4 end
5 end
RubyのVisitorパターンをRubocopの例で学ぶ(Ruby Weeklyより)
つっつきボイス:「RuboCopのcopでVisitorパターンを学ぶ、なるほど」「Visitorパターンのトレードオフについて解説していますね」
「copでRubyコードをチェックするには構文のASTが必要で、それを再帰的に追いかけるときにVisitorパターンがよく使われますね: 記事にもnokogiriやsyntax-treeやgraphql-rubyのようなパーサー的な処理を行うライブラリがVisitorパターンの参考として挙げられています」
「Visitorパターンは言語によって書き方が違ってくるんですが、RubyのVisitorパターンはその中でもかなり独特な印象があります」「そういえばJeremy EvansさんもRubyのVisitorパターンは書き方が違うとPolished Ruby Programmingで解説していました↓」「自分が最初にVisitorパターンを学んだのは結城浩さんのデザパタ本だったんですが、これで学んだ人はRuby独特のVisitorパターンで少し戸惑うかもしれませんね」
以下はつっつき後に見つけたツイートです。
Happy to announce that @PacktPublishing sent me six promotional copies of "Polished Ruby Programming" to distribute at #rubykaigi. I'll be giving away two copies per day, so find me at the conference if you would like a copy.
— Jeremy Evans (@jeremyevans0) September 5, 2022
Rubyでクラスをインスタンス化すると何が行われるか(Ruby Weeklyより)
つっつきボイス:「短い記事です」「allocate
って見慣れないなと思ったら、Class#allocate
というメソッドがあるのか!」「そうそう、new
の前にこっそり呼ばれるメソッドですね: たしかメモリの確保だけ行うんじゃなかったかな」「自分自身のインスタンスを生成して返すだけのメソッドか、なるほど」「普通にコードを書いていたら使わなそう」
# 同記事より
class Country
def self.fresh(name, capital)
instance = allocate # 1. 新しいオブジェクト用のスペースをアロケートする
instance.custom_initializer(name, capital) # 2. イニシャライザを呼び出す
instance # 3. Countryのインスタンスを返す
end
def custom_initializer(name, capital)
@name = name
@capital = capital
end
end
p Country.fresh("Ghana", "Accra")
# => #<Country:0x000000010c5e23f8 @name="Ghana", @capital="Accra">
参考: Class#allocate
(Ruby 3.1 リファレンスマニュアル)
Rubyの|=
演算子
It's Array union operator. https://t.co/CbmLpfrZ6U
a |= [:html] ===== a = a | [:html] ===== a.union([:html])
— AgoNight (@AgoNights) August 30, 2022
つっつきボイス:「||=
じゃなくて|=
とは?」「ビット演算子のOR |
と=
が合わさった感じ?」「配列をappendする代わりに、2つの配列のunionを取った配列を新規作成するようですね↓」
Technically, it isnt appending – it is creating a new array that is the union of the other two. pic.twitter.com/T7BtgyinRS
— Jason Dinsmore (@dinjas) August 30, 2022
「実用的かどうかはともかく、|=
は自分的には割としっくりくる記法かも」「スレッドの続きを見ると|=
は<<
より遅いみたい…」「配列を毎回生成しているせいかな」
Interesting! Never knew about this, seems like it's a really slow operator though, for a 10-item array it's almost twice as slow. Numbers get worse as you approach 20 items. Maybe it's similar to how the append operator in elixir works, I suspect it's creating a new object in mem pic.twitter.com/tmG0Mw9So0
— Nikasulo (@nervousrubyist) August 30, 2022
「|=
がありなら&=
もできそうですね」「たしかに」
後で&=
をやってみたらできました。|=
と同様、object_id
は新たに生成されていました。
>> a = [:turbo, :js]
#=> [:turbo, :js]
>> a.object_id
#=> 129700
>> a &= [:html, :js]
#=> [:js]
>> a.object_id
#=> 138980
dry-schemaでYAMLファイルをバリデーションする(Ruby Weeklyより)
つっつきボイス:「dry-rbシリーズのdry-schemaでバリデーションを行う記事です」
「ところでYAMLファイルってなまじ複数の書式が使えるのが微妙に気になりますよね: こういうふうにインデントしてもしなくても効く場合があったりとか↓」「あ、たしかに」
# 同記事より
domains:
- domain: https://domain1.com/blog/author/coderhs
rule: DomainOne
- domain: https://Domain2.in
rule: DomainTwo
Rubyの最適化
A while back I wrote this patch to Ruby with some help from @tenderlove. Today we measured it in production at Stripe and after 36 hours, we confirmed it made card charges run 50ms faster! Really happy about thishttps://t.co/FuIcGg3o2h
— Penelope Phippen (@defrag_penelope) August 31, 2022
このサイトがメソッドエントリを無条件にクローンしていることに気づいた。これは
bind_call
が常にT_IMEMO
をアロケーションしているということになる。このクローンはbind
では必須だが、bind_call
では必須ではない。自分はStripeで働いていて、sorbet_runtime gemは呼び出しのバリデーションの一環として
bind_call
を使っている。このパッチは、
convert_umethod_to_method_components
にclone
パラメータを追加する。これによってクローンするかどうかを制御できるようになる。このパッチはStripe CIに渡されて私たちのQA環境では動作している。私はこのパッチを@tenderloveとともにレビューし、パッチの正しさについても議論した。
同PRより
つっつきボイス:「Stripeの人がRubyを最適化したのがマージされたそうです」「Rubyのコアにこういう最適化が入ると速くなりそう」
# proc.c#L2546
-convert_umethod_to_method_components(const struct METHOD *data, VALUE recv, VALUE *methclass_out, VALUE *klass_out, VALUE *iclass_out, const rb_method_entry_t **me_out)
+convert_umethod_to_method_components(const struct METHOD *data, VALUE recv, VALUE *methclass_out, VALUE *klass_out, VALUE *iclass_out, const rb_method_entry_t **me_out, const bool clone)
Rubyのerror_highlight
RubyKaigiで話す内容(error_highlightの話)のあらすじを公開しておきましたーhttps://t.co/xSMIaCjDYv
— Yusuke Endoh (@mametter) September 1, 2022
つっつきボイス:「@mametterさんのRubyKaigi予告記事です」「たしかにこの部分は難しそう↓: RubyKaigiの予習にどうぞ」
何がむずかしかったか
一言で言えば、「エラーメッセージの変更は非互換である」ということでした。
同記事より
その他Ruby
つっつきボイス:「8/15から合計ダウンロード数の多いgemのオーナーは多要素認証の設定が必須になったそうです」「これは以前rubygems.orgがgem作者に呼びかけた多要素認証設定の続報ですね(ウォッチ20220621)」
DB
trilogy: GitHubによるMySQLクライアントライブラリ
つっつきボイス:「BPS社内Slackに書かれていたのを拾いました」「trilogyはGitHubが作って実際にproductionで利用しているのが強いですね」「お〜」「READMEにはプリペアドステートメント(ウォッチ20220222)はサポートしていないと書かれているのがネックといえばネックかもしれませんが、それが気にならない人は使ってみてもよさそう」
参考: プリペアドステートメントとは – 意味をわかりやすく – IT用語辞典 e-Words
設計
イベントをモデリングする(RubyFlowより)
つっつきボイス:「Event Modelingは用語かと思ったら文字通りイベントをモデリングすることを指しているようです」「UMLとだいぶ違う感じの図かも」「とりあえず時間軸は左から右に流れていますね↓」
参考: 統一モデリング言語(UML) – Wikipedia
「図を見た感じでは、青がコマンド、オレンジがイベント、緑がビューになっていて、コマンドを発行するとイベントが発火してビューに表示されるというような処理が左から右に進む: イベントはInventory、Auth、Payment、GPSに分かれている」「なるほど」「この解説ではホテルの予約システムのような設計を念頭に置いているようですね: そういうシステムでは空き部屋状況の確認も必要になるので複雑になりやすい」
「全般にBDDのテストコードを思わせるところがありますね: 以下のようにGiveとWhenとThenで表すのはなつかしのcucumberでも使われていました↓」「なるほどBDDですか」「シナリオテストについても言及しているし、記事の最後でもBDDの話が出ていますね」
The specification for this has the form of “Given: A view of the tasks to do, When This command is launched for each item, Then These events are expected back.”
同記事より
参考: ビヘイビア駆動開発(BDD) – Wikipedia
# cucumber/cucumber-rubyより
# features/rule.feature
Feature: Rule Sample
Rule: This is a rule
Example: A passing example
Given this will pass
When I do an action
Then some results should be there
Example: A failing example
Given this will fail
When I do an action
Then some results should be there
「眺めてみた限りでは、この記事の方法でモデリングすることで、複雑に見えるシステムでも最終的に各部分のシナリオをBDDのfeatureとして書けるようになり、シナリオをそのままテストに落とし込んでCIで回したりできるのでいいよ、というBDD的な話のように思えました」「なるほど」
「BDD的なアプローチは以前広く流行したんですが、経験では日本語との相性がどうしてもよくないんですよ: 英語なら無理なく書けるものでも、日本語だと機械翻訳みたいな不自然な表現になりがち」
クラウド/コンテナ/インフラ/Serverless
RFC 9293
つっつきボイス:「これもBPS社内Slackに貼っていただいたエントリです」「そうそう、従来のTCPプロトコル関連のRFCをobsoleteにしたり更新したりしてRFC 9293にまとめたものが出ましたね」
- Status:Internet Standard
- Obsoletes:793, 879, 2873, 6093, 6429, 6528, 6691
- Updates:1011, 1122, 5961
RFC 9293より
「これでだいぶ読みやすくなったんでしょうね」「従来のRFCはキメラみたいになっていて最新情報を追うのが大変だったので、最近新しく出たHTTP 1.1のRFC 9112もそうですが、こうやって整理されるのはありがたい」
参考: RFC 9112: HTTP/1.1
参考: RFC 9112 – HTTP/1.1 (RFC 9112) 日本語訳
AWSによるSlack経由の有償サポート
つっつきボイス:「これもBPS社内Slackからです」「AWSのサポートがSlack経由のやりとりを公式にサポートしたというニュースですね: 記事にもあるようにサポートプランが有償のBusiness、Enterprise On-ramp、Enterpriseなら追加費用なしですが、BasicやDeveloperプランは有償サポートにアップグレードしないと使えません」「残念」
「考えてみればAWSサポートのチケットトラッカー画面は自分も普段ほとんど見に行かないので、Slackでやりとりできればサポートの依頼者がサポートからの返信を見落としにくくなるでしょうね」「そうですね」
「逆にAWSサポートの立場で考えれば、Slack化することでチケットがクローズされないまま放置されるのを減らせるはずなので、むしろそっちの方がメインの目的かもしれませんよね」「たしかにサポート側はチケットをできるだけクローズして欲しいはずですよね」「チケットのクローズ率やクローズまでの期間のような値は顧客満足度の測定でもよく使われるので、そういう値を改善するためにSlack対応を始めたんじゃないかなと想像しています」
言語/ツール/OS/CPU
『Midjourney、Stable Diffusion、mimicなどの画像自動生成AIと著作権』
先日反響が大きかった「画像自動生成AIと著作権」の問題、より詳細な解説記事を書きました。
疲れた。。。。https://t.co/ckozXuiqnm— 柿沼 太一 (@tka0120) August 31, 2022
つっつきボイス:「Stable Diffusion流行り続けてますね」「こちらの記事がはてブで大バズリしていて、自分が見に行ったときはサーバーがときどきアクセスできなくなっていました」「これは図も含めてとてもいい記事」
「記事を読んでみてわかったのは、原則論はいろいろあるものの、個別のケースでは実際に裁判になってみないとはっきりしない点がいくつもあるということですね」「なるほど」「例のmimicの件も、それだけで直ちに法的責任を問われるものではないだろうという見解でしたね」
参考: AIイラスト生成「mimic」、β版の全機能を停止 不正利用などの課題を改善次第、正式版をリリース – ITmedia NEWS
NIIでメルカリのデータセットが無償公開
こういうデータセット、権利など研究用に公開するのにめちゃくちゃハードルがあっただろうに、それを乗り越えて広く使えるようにしてくれるの本当にありがたいな…
そんなメルカリの方の講演が10/28にあるので要チェックだ(not 回し者)(他の方の講演も最高に楽しそう)https://t.co/9x3bkp7iBQ
— hpp (@hpp_ricecake) September 1, 2022
つっつきボイス:「国立情報学研究所(NII)でメルカリの巨大データセットが無償公開されたそうです」「お〜これはすごい」「もちろん個人情報や非公開情報は除外済みです」
「こういうデータが公開されると学部生あたりが一気に使いそう」「でしょうね」「学生はお金がないうえに、こういうデータセットには共同研究のような形でないとなかなかアクセスできませんし、かといって既に公開されているデータセットだと既存の研究でさんざん使われていて新しい研究がしにくいんですよ」「なるほど」
後編は以上です。RubyKaigiでお会いしましょう。
バックナンバー(2022年度第3四半期)
週刊Railsウォッチ: Herokuが無料プラン廃止を発表、Hotwire日本語コミュニティほか(20220905前編)
- 20220830後編 RubyKaigi 2022タイムテーブル公開、viewport-extraほか
- 20220829前編 MinitestとRSpecの比較、商用版NGINXの重要機能がオープンソース化ほか
- 20220823後編 byebugからruby/debugへの移行ガイド、YJIT解説記事ほ
- 20220822前編 ビューテンプレートに渡せるローカル変数をマジックコメントでチェック可能にほか
- 20220802後編 RubyのGVLトレーサーgvl-tracing、casting gemでオブジェクトに振る舞いを追加ほか
- 20220801前編 “リーダブルテストコードについて考えよう”スライド公開、Evil Martiansが日本上陸ほか
- 20220726後編 中高生国際Rubyプログラミングコンテスト2022、W3Cの分散型識別子仕様が勧告にほか
- 20220725前編 RailsConf 2022の動画が公開、マイクロサービスのテスト戦略ほか(
- 20220719 RubyのGCが高速化、RuboCopのストレスを減らす4つの方法、Defensive CSSほか
- 20220711前編 AR::RelationにCTEを利用できるwithメソッドが追加、Propshaftアップグレードガイドほか
- 20220705後編 6月のRubyコア動向、Stack Overflowアンケート結果ほか
- 20220704前編 マイグレーションをStrategyパターンで拡張可能にほか
今週の主なニュースソース
ソースの表記されていない項目は独自ルート(TwitterやはてブやRSSやruby-jp SlackやRedditなど)です。
Ruby Weekly
RubyFlow
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