1年ほど前にビールをこぼされて起動しなくなったMacbook 2011 lateの開腹手術を試みました(直ったとは言ってない)。
免責事項: 本記事で行っているのはメーカーの保証外の作業です。本記事に基づいて作業した結果生じたトラブルについては関知いたしません。
カルテ
スペック: MacBook Pro (15-inch, Late 2011) - 技術仕様
- メインのマシンではなかったのが幸い
- ビールはキーボード全体にたっぷりこぼされたらしい(こぼしたのは私にあらず)
- 当時、応急処置でひととおり拭き上げ、完全に乾燥させてから電源を投入しようとしてもピクリとも動かない
- その後有志によってキートップを可能な限り外し、届く範囲で清掃していただいた(矢印キーはまだ少しだけニチャニチャする)
- それでも起動せず
- そのときに外したスペースバーが元に戻らなくなったらしい
ダメで元々な状態なので、最悪でも1GBハードディスクを取り出して使い回せればいいぐらいのつもりで作業しました。
1. スペースバーの修復
まずはこの辺のYouTube動画を頼りに、拭き取り中に外れたというスペースバーを復元しました。
惜しくもこのときの写真を撮りそこなっていましたが、他のキートップに比べてスペースバーの付け外しは難易度が高いことを思い知りました。パンタグラフ状のプラスチックや鉄製のワイヤをピンセットで慎重に位置決めしたうえで、勇気を出して四隅をパチンパチンと押し込む必要があります。
2. 開腹手術
術式の方針
- 目標: 電源を投入したら起動する状態に持っていく
- 作業: 部品を可能な限り取り外し、綿棒と工業用アルコールで拭いて拭いて拭きまくる
- その他: 危険を感じたら引き返す
ツール
星型ドライバのセット↓は持っているのですが、その他に5溝ドライバーとY字型ドライバも必要というのを初めて知りました…。急遽Amazonにて購入。
- 5溝ドライバー
- Y字型ドライバー(バッテリーを外すのに必要)
術式開始
今回、ネジは外せる範囲でひととおり外しましたが、実はネジよりコネクタの方がはるかに手ごわいことがわかりました。
写真の白枠□はバッテリーのコネクタ: これは最初に外しとかないとショートの危険があります(今回はすっかり放電しきった状態で作業しましたが)。
なおバッテリーのネジの支えが一箇所もりっと崩壊しましたが、黙殺しました。
青枠(メモリー)は付け外し楽勝です。
黄色枠の外部コネクタ類を抜いてみると、薄いプラスチックに超細かい端子がびっしり生えています。
専用レバーでかさぶたのように引っぺがさないといけないのでドキドキ。
そして赤!赤!どんだけレベル高いのよ赤!
キーボードとトラックパッドのコネクタと思われますが、髪の毛ほどに薄いペラッペラのシートに細っそい銅線がみっちりプリントされてて、それを超細い謎の隙間に深く差し込んであります。
抜くまで様子がわからなかったのですが、ひっこ抜いた直後に後悔です。
それでも、ここまで外せばそろそろマザボを外せるかと思いきや、3箇所のネジが(ネジの頭ではなく)お尻をこっちに向けてマザボをがっちりつなぎとめています。
どうやら表のキーボード側からネジががっちり刺さっていて、キートップもいくつか外さないとネジを回せないようです…
面倒くさくなってきたので無理は禁物と決めてあったので、様子がわかったところまででよしとし、工業用アルコールで拭ける部品はひととおり拭いてから、いったんここで折り返すことにしました。
難関の赤コネクタを戻すときは両手にピンセットなので、手が震えます。老眼にはつらい作業です。うかつに押し込んだらシートがポキっと折れるんじゃないかと。
最後は子どもにも手伝ってもらってどうにか赤を挿入完了しました。ほんとにちゃんと挿さってるんだろうか?
赤の大きい方はトラックパッドにつながってるっぽいので、しくじったらトラックパッド即死です。
どうにか蓋を閉めて、自分よりツキの太そうな子どもに電源ボタンを押してもらいました。
DVDがあくびのような音を立てた!起動したよママン!
今度はmacOSを殺してLinuxネイティブマシンに生まれ変わらせてあげるよ。
オチ
薄々予感はありましたが、数日おいてから再度電源を投入したところ、また起動しなくなっていました。まだ見込みはありそうなので、洗浄用のアルコールをもっとたっぷり用意できたら時間のあるときにリトライしようと思います。そのときにこの記事が役に立つと信じて。
(続く)